教員不足で学校崩壊の危機?現状から対策まで解説

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学校

5月10日、文科省で大学教授らが教員不足についての実態調査結果を公表しました。

そこで公表されたのは、驚きの数字でした。今年4月の始業式時点で「教員が不足している」と回答したのは、小学校で20.5%、中学校で25.4%だったのです。回答があった地域に偏りがあることを考慮する必要はありますが、前年度よりも深刻化しているとのこと。

いったい、今の学校現場はどうなっているのでしょうか。

この記事では、教員不足の現状と今後の対策までを分かりやすく解説します。

教員不足の現状

実際、どのくらいの人数が不足しているの??

最も不足しているのは、千葉県で91人です。

文部科学省がおこなった調査(令和4年1月公表)をもとにランキングで見てみましょう。

都道府県別 教員不足ランキング

都道府県別 教員不足数ランキング(小学校

都道府県名不足人数(人)不足学校数(校)
千葉県9184
福岡県6961
埼玉県6757
大阪府6053
茨城県5857
<参考>「教師不足」に関する実態調査 文部科学省 https://www.mext.go.jp/content/20220128-mxt_kyoikujinzai01-000020293-1.pdf

この調査は令和3年度の始業日と同年5月1日時点での調査です。2年経った現在は、この数値よりも不足数が増加していると言えます。

他の県は大丈夫?

教員が不足している割合でみていくと、最も不足しているのは熊本県です。

不足している割合についてもランキングで見てみます。

都道府県別 教員不足学校割合ランキング(小学校)

都道府県名不足学校割合(%)
熊本県14.5
福岡県13.8
千葉県13.0
長崎県12.9
福島県12.2
<参考>「教師不足」に関する実態調査 文部科学省 https://www.mext.go.jp/content/20220128-mxt_kyoikujinzai01-000020293-2.pdf

1位の熊本県は、今年の4月から事務職員を教諭として現場に派遣するというニュースでも話題になりました。この頃より教員不足が深刻化していると予想できます。

不足していない県はないの??

この調査の時、不足数0とされた県は、山形県・群馬県・東京都・新潟県・和歌山県・山口県です。

しかし、これはあくまでも2年前の結果。

実際私はこの6つの中の自治体在住ですが、すでに今年度に入ってから「講師をやってほしい」と2校から連絡を受けています。

どの地域も教員不足は進んでいるようです

教員不足の原因

どうしてこんなに教員が足りないの??

教員不足の原因は、次のように考えられています。

  • 必要な教師の数が、見込みよりも多かった
  • 欠員を補うための臨時職員のなり手不足

必要な教師数の増加

各都道府県・指定都市等の教育委員会において、学校に配置する教員の数は決まっています。

決まっているのに、どうしてそんなに見込みと変わってしまうの?

必要な人数が見込みより増えてしまった原因は次のようなものです。

  • 産休・育休を取る人が増えた
  • 特別支援学級の数が増えた
  • 病休を取る人が増えた

産休・育休を取る人が増えた

教員不足が発生している66の自治体に行った文科省のアンケートによると、産休・育休取得者数が見込みより多かったと回答した自治体はおよそ8割です。

それには、若い教員の割合がどんどん増えていっていることが原因の一つと考えられます。産休・育休を取る年代が多いというわけです。

実際に私が勤務していた学校では、担任のおよそ半数が20代~30代前半でした

特別支援学級の数が増えた

また、特別支援学級数が見込みより多かったと回答した割合は、およそ7割でした。

文科省が公表している資料からも、年々特別支援を必要としている子どもが増えていることが分かります。

特別支援学級は、1学級の定数が8人。特別支援学級が増えれば、教員の数は多く必要となります。

<参考>日本の特別支援教育の状況について 文部科学省 

病休を取る人が増えた

さらに、病休者数が見込みより多かったと回答した割合もおよそ7割でした。

令和3年度、教員の精神疾患による病気休職者数は、5,897人(全教育職員数の0.64%)とされています。これは、令和2年度(5,203人)から694人増加し、過去最多

ニュースなどでもよく取り上げられていますが、病休を取る教員は増えているのが実態です。

私が勤務していた時、1年間のうちに2人の先生が病休に入りました・・。

<参考>令和3年度公立学校教職員の人事行政状況調査について 文部科学省

欠員を補うための臨時職員のなり手不足

必要な教員の数が見込みより多かったといっても、それを補う職員がいれば「教員不足」とはなりません。

講師をするためには、「講師登録名簿」というものに登録します。しかし、教員不足とされている自治代の9割が「登録の希望者が減った」と回答。

なぜ登録者が減ったのでしょうか。

それは、正規の教員採用試験に合格する人が増えたからです。

合格者が増えることはいいことじゃないの?

そうとは一概には言えません。

年々教員採用試験の倍率が下がってきているのも問題とされています。昨年度は2倍に届かなかった自治体も多くありました。

採用試験に不合格となる人が減り、講師も減ったということです。

そもそも教員になりたい人が減っているのですね・・

教員不足が及ぼす影響

このまま教員不足が進むとどうなるの?

このまま教員が不足していくと、次のような影響が考えられます。

  • 教育の質の低下
  • 教員のさらなる多忙化

教育の質の低下

教員が不足しているからといって、学校を休みにするわけにはいきません。

しかし、4月の担任発表の時点で、「仮の担任」というケースや、昨日まで来ていた担任の先生がいきなり来なくなる、というケースは実際に存在するのです。担任不在の学級に、何人もの先生が代わる代わる入って授業をする、ということが起きています。

また、人を選んでいる状況ではないということから、何年も教職から離れている人に声が掛かることも。

教員のさらなる多忙化

ただでさえ教員の多忙化が叫ばれている今。

教員が足りないとなっては、現職の教員の仕事が増えるのは必然です。

本来担任をもたない立場の教員が担任を兼務したり、一人当たりの授業を担当する数も増えています。

さらに教員になりたくない人が増えるという悪循環!!

今後の対策

国は何をやってるの?対策はあるの?

文科省は教員確保に向けて次のような取組をしています。

  • 数年後を見越した計画的な採用
  • 講師を増やす取組
  • 大学との連携

数年後を見越した計画的な採用

各教育委員会では、5年から10年先までの採用計画を作成しています。

いくつかの自治体では、採用試験の年齢制限の拡大や撤廃なども行われています。

講師を増やす取組

各自治体で、広報活動を行ってます。

「学校・子供応援サポート人材バンク」の活用で講師の確保につなげるところもあるそうです。

大学との連携

大学と連携し、インターシップ事業や教師の魅力を伝える講座を行っています。

まとめ

教員がこのまま減っていくという現状をとめられないのなら、公教育は崩壊すると思います。

そうなる前に、未来ある子どもたちのために、教員不足を解消していきたいものです。

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